はじめに
6 月末に Google Cloud のカスタマーエンジニアを辞めるときに 退職エントリ を書いたのですが、思っていた以上に「共感した」という反響を頂きました。これは転職して実際どうだったかという結果も書かないといけないなと思い、Knowledge Work への入社エントリを書いています。
長くなってしまうので 2 つの記事に分けて書きます。本記事では Knowledge Work ってどんな会社なの?ということを、次の記事では退職エントリへのアンサーを書きます。
本記事:
- Knowledge Work に入社を決めた理由
- この 2 ヶ月 Knowledge Work で何をしていたのか
- Knowledge Work に入社して実際どうだったか
次の記事:
- 2 ヶ月経って Knowledge Work へ SWE として転職した判断は正解だったのか
- これから何をしたいか
Google Cloud を辞めた理由については 退職エントリ に書きました。
NOTE: 本記事には、この記事を読んで Knowledge Work に興味を持ってくれる人が増えたらいいなというささやかな願いが大胆に込められていますが内容はすべて本音です。
TL; DR と宣伝
10 月 6 日に Knowledge Work 主催の Encraft #7 というオフラインイベントに登壇します。懇親会もあるので興味がある方はぜひいらしてください。 YOUTRUST の カジュアル面談 も作ってみました。X (Twitter) の DM でも大丈夫です。
Knowledge Work に入社した
改めて、7 月に Software Engineer として Knowledge Work に入社しました。
Knowledge Work は「できる喜びが巡る日々を届ける」をミッションとして掲げるプロダクトカンパニーです。現在はセールスイネーブルメントに特化した ナレッジワーク というプロダクトを開発・提供しています。
Knowledge Work に決めた理由
入社した理由について、入社前に転職活動をしていたときの目線で書きます。あくまでも入社前の転職先を探している時点・立場での内容です。
入社理由を一言で説明すると、転職活動時に考えていた Criteria を満たしてさらに加点ポイントがあったからです。 Criteria をどうやって決めたかですが、いろいろありつつ多くは「荒波に揉まれながらも楽しくソフトウェアエンジニアとして成長できる」がテーマになっています。
転職活動では以下のような基準で会社を選んでいました。多いです。Knowledge Work が満たしていると判断した Criteria には✅をつけています。
- 技術観点 - ソフトウェアエンジニアとして成長できる環境があるか
- (MUST) Google Cloud と Go を使っている ✅
- 好きなものであり、これからスキルアップしたい技術でもあるため。
- (MUST) スピードと質の両立を目指している ✅
- 開発生産性、セキュリティ、長期目線などを妥協なく両立しようとしている。これができること、重要であることを知っているということはチームが優秀なエンジニアで組織されていると考えているため。
- (MUST) 妥当な技術選定ができる ✅
- 根拠がない判断で技術選定されたり、こちらの技術選定を理由なく拒否されると改善しようとする思考を停止させてしまうため。
- (MUST) CTO もしくはリーダーに技術力・バランス感がある ✅
- 技術選定にも関わってくるし、CTO によって組織全体の技術レベルをどこまで引っ張り上げられるかが変わってくるため。
- (SHOULD) Design Doc を書く文化がある ✅
- Google の Design Doc 文化がよかった、かつ、自分も Design Doc ベースの開発を身に着けたかったため。
- (MUST) Google Cloud と Go を使っている ✅
- 組織観点 - ビジネスを成功させる再現性があるか
- (MUST) 採用に妥協していない ✅
- 組織の人材レベルを高く維持しようとしている。妥協するとどんどん社内の様々な仕組みや基準が低くなっていってしまうため。
- (MUST) Value の Priority が高く、その Value に共感できる ✅
- 行動指針や行動基準といったりするもの。Value に共感できてメンバー全員がその Value を発揮しているときストレスなく心理的安全で HRT に仕事ができるため。
- (MUST) 経営者がプロの経営者である ✅
- CEO がただの創業者ではなくプロの経営者として会社を経営している。再現性があるビジネスの成功や健全な組織の維持のためには、経営者が会社の目指すべきところを定めてそこまでの道筋を設計して示したり、社員に必要な情報をしつこくインプットし続ける必要があると感じていたため。
- (MUST) 採用に妥協していない ✅
- ビジネス観点 - 自分が楽しめるか
- (MUST) ビジョン・ミッションに共感できる ✅
- 大きな時間を費やすからには共感できるミッション達成のために働きたいため。
- (MUST) 中長期のゴールがあり、道筋が設計されている ✅
- ないと行き当たりばったりで長期的な目線を持てず楽しくもなく成長できないため。
- (MUST) 安定したビジネスモデルがある ✅
- お金を稼げるビジネスかどうか。例えば不安定な広告モデルよりはBtoBのサブスクリプションモデルのほうが好ましい。お金が稼げないと良い組織も作れないし、上場もできないし、エンジニアとして成長できる環境も維持できないため。
- (MUST) 自社プロダクトを作っている ✅
- プロダクトを作るのが好きなため。
- (SHOULD) プロダクトが Web に閉じない
- 現実世界に物理的に影響があるサービスなりプロダクトなりをやってみたかったため。
- (SHOULD) ビジネスが日本に閉じない
- Google で働いて Global なビジネス、環境、働き方に良さを感じていたため。
- (MUST) ビジョン・ミッションに共感できる ✅
- その他 - 報酬や働き方
- (MUST) ある程度の報酬が出る ✅
- 生活するため。(下がっても良い)
- (MUST) 出社必須ではない ✅
- 犬の散歩 (ライフワーク) ができなくなるため。
- (SHOULD) スタートアップである ✅
- 大きな裁量で働きたかったため。自分の成長のため。
- (SHOULD) 週 1 出社、週 4 リモートぐらいのハイブリッド ✅
- ほぼ丸 5 年フルリモートやって、たまに他の社員と顔合わせると仕事に好影響があったり、楽しかったり、メンタルに良かったりすることがわかってきたため。
- (SHOULD) 英語を使える環境がある
- 英語を身につけたかったため。
- (SHOULD) フルリモートも可 ✅
- 隙あらば東京から移住したいと考えているため。
- (MUST) ある程度の報酬が出る ✅
Google からの転職ということで基準は高く設定しました。Knowledge Work がこれらの基準を満たしていることを入社前にどうやって判断したかいくつか紹介します。
- 妥当な技術選定ができる
- GKEからCloud Runに移行した 点や Modular Monolith を採用している点でかなり好印象でした。ここ数年はとにかく必然的な理由がなく Kubernetes だ、Microservices だ、というアーキテクチャが多かったので。
- スキル面接での CTO とのディスカッションも根拠になっています。
- 採用に妥協していない
- 採用プロセスがガチでした。面接もそうですが、プロセス全体を通して誠実さと本気を感じました。
- Value の Priority が高く、その Value に共感できる
- Knowledge Work では Value ではなく、スタイルというものがあります。スタイルは Act for People、Be True、Craftsmanship の 3 つで構成されています。この 3 つには共感しかないし、自分がこうありたいと思えるスタイルだと感じました。
- スタイルを徹底してるなと感じたのは、カジュアル面談、スタイル面接、社長面接でした。それぞれ別の人が相手でしたが、一貫してスタイルを重要視していて、社員全員がスタイルを体現していると言っていました。
- 経営者がプロの経営者である
- これを間接的に感じたのはカジュアル面談、CTO への質問でした。転職活動中は必ず「社長どう?」と聞くようにしてましたが、総じてポジティブかつプロフェッショナルであるエピソードを聞けました。
- 直接的に感じたのは社長面接です。社員、組織、ミッションにどのように取り組んでいるのかを聞かせていただきました。
このように基準として考えていたものの他に次のような加点ポイントがありました。
- リファラルしてくれた人が楽しそうだった
- CTO が Google 出身だった
- 選考中に参加させてもらった社内ミーティングが良かった
- プロダクトのテーマがセールスイネーブルメントで、カスタマーエンジニア時代に感じていた課題の解決に取り組める
- オファーレターの “Why you” が良かった
この 2 ヶ月なにしてたの?
所属は Platform Group というプロダクトの基盤となる部分を開発したり、開発生産性を高めたり、インフラを整備したり、SRE したりするチームです。ざっくり言うと Team Topologies における Platform team ですがより広い範囲に責任があります。プロダクトの基盤を整えつつStream-aligned team から溢れたボールを積極的に拾いに行くようなイメージが近いかもしれません。
最初の 1 ヶ月はオンボーディングでした。7 月は四半期の始まりだったため 2 日間に渡る Quarterly の全社集会があり、セルフラーニングによる学習、ペアプロを経て、いくつかの簡単な機能を開発しました。
2 ヶ月目はオンボーディングも終わり独り立ちし始めたかなという感じです (まだまだですが)。この 2 ヶ月間でこんなことをやってました。
- いくつかの機能開発 (表に出ない地味なやつ)
- いくつかの Design Doc レビュー
- データ分析基盤の設計・開発
- 認証基盤改善
- アプリログ改善
- Go のエラーまわり改善
- Encraft の企画
- インターンシップのメンター
- 運用フローの改善
最初の四半期はいろいろ手を出してみるという感じでやっています。
で、入社してどうだった?
で、実際入社してどうだったかというと、入社前と入社後でギャップがほとんどなかったです。Design Doc はしっかりと運用されているし、本当に全員がスタイルを行動指針としてミッションを実現しようとしています。
いくつか Knowledge Work の好きなところを紹介します。
- スタイル がガチ
- Act for People、Be true、Craftsmanship が行動指針です。全員がこの ABC の実現を徹底的に目指しているので共感できる人はかなり働きやすいと思います。
- 社員全員優秀
- 前職の Google も周りはみんな優秀でしたが Knowledge Work も Google に負けないぐらいの優秀な人材しかいません。エンジニアだけではなく、HR、PdM、営業など全職種です。本当にすごい。
- 四半期の全社集会がアツい
- まだ 1 回しか参加してませんが、四半期ごとに全社の方針と各チームのゴールが共有される全社集会があります。社員の向く方向を揃えてモチベーションを高めるようないい場になっていると感じました。
- Thanks を送る機会が多い
- Google にも gThanks という仕組みがあって好きだったんですが、Knowledge Work は感謝を送る機会が多いです。Slack で送る仕組みもあるし、直接伝える機会も設けられています。
- Good & Opportunity フィードバック
- いい部分を Good、改善できる部分を Opportunity としてフィードバックする文化が定着しています。本当に Feedback is a gift で、フィードバックを受け取る機会が多いのは素晴らしいです。モチベーションになる Good と成長につながる Opportunity がセットになっているのもさらに良いです。
- プロダクトシェアデイ が良い
- セールス側とプロダクト側の情報交換をするための全社員が参加するミーティングを毎週開催しています。プロダクト側からは開発の方針や新機能の紹介、セールス側からはお客様からの Good & Opportunity の紹介をします。プロダクト側として参加してますが作っているもののフィードバックを毎週もらえるのがありがたいです。
おわりに
というわけで、まだ入社 2 ヶ月ですが Knowledge Work はいい会社だと感じています。本当にまわりの人全員が優秀で毎日ディスカッションするのが楽しいです。
いいことしか書いてなくて完成された組織に思われるかもしれませんがスタートアップらしくまだまだやることは山積みです。社員も絶賛募集中なので興味がある方はぜひお気軽にご連絡ください。素晴らしい環境の中で一緒に成長しましょう! 💪
また、10 月 6 日に Encraft #7 AppDev with Google Cloud というイベントを開催します。ぜひ遊びにきてください。