はじめに
2023 年の振り返りです。とりとめなく、雑に時系列で振り返って感想を書いています。まったくまとまってないです。
仕事パートは「元 Googler が Knowledge Work に入社して2ヶ月経った」の続編でもあり「マンタローに勇気をもらって Google Cloud を辞めた話」へのアンサー記事でもあります。
仕事
ざっくり振り返る
2022 年末ごろから転職活動を始めました。第一候補は Google 社内での Software Engineer 職への異動でしたが、それに限らず他の会社のカジュアル面談などもやっていました。
2023 年 1 月、今所属しているナレッジワークの選考を始めました。Google 社内での職も変わらず探していて、社内転職サイトで良さそうな open position を見つけて応募しようとレジュメを用意していたんですが、次の日見るとその position の hiring manager はレイオフされていました。大規模レイオフにより社内転職サイトは機能しなくなり、日本ではいつあるんだ誰が対象なんだと不安な空気が漂い始めました。
2 月はそんな空気の中淡々と仕事をしていました。Google の採用に関してはいろんな噂があったものの、2 月中も採用はしておらず、計画もまったく不明という状態でした。
3 月、日本でのレイオフも始まりました。アメリカのようにチームメイトが急にいなくなるということはないですが、チームメイトがいなくなるという噂が届き始めました。 パフォーマンスも行動も問題なく、むしろいつも頼りにしていた同僚との今後について相談する 1 on 1 でレイオフ対象になったと聞いたときの衝撃は今でも覚えています。 30 分のミーティング時間「まじすか」と言い続けて終わりました。 事前に様々な材料からの推測で自分たちにそこまで大きな影響はないだろう噂されていたこともあり、自分のすぐ近くで相当数の同僚がレイオフ宣告されたことは非常にショックでした。 結構ガチ目にショックを受けてガチ沈みしてました。仕事関係で生じた感情の大きさでいうと圧倒的な歴代一位ですね。 完全にキャパオーバーでこんな状態で仕事と転職活動と一緒に続けられないということで、通っていた英語教室は辞めてしまいました。
自分が他人のことでこんなにショックを受けるのかというのは発見でもありました。レイオフってつらいんですね。外資で働き続けるとそのうち慣れるんでしょうか。
4 月、チームメイトもレイオフされ、採用もいまだ再開する気配がないということで、気持ちは Google 社外への転職にかなり傾いていました。ナレッジワークの選考は着々と進んでいて、オファーをもらい、ゴールデンウィーク明けに返事をしなければいけないという状態でした。それでも「Google で今得られていてこれからも得られるであろうもの」と「Google では今は得られてないけどナレッジワークでこれから得られるであろうもの」を天秤にかけて結論を出せないでいました。
来る 5 月 6 日、スプラトゥーン 3 でゼルダの伝説とのコラボフェスが始まりました。そしてマンタローの「エイエイエイ!エイ!」というセリフに感銘を受けてナレッジワークへの転職を決意しました1。
6 月、転職を決める前にやると言っていたことはやりきろうということで、有給消化もほとんどなく、最終出社日までお客さんとのワークショップをやっていました。 有給日数はだいぶ残ってたので休んでおけばよかったという気持ちもありつつ、なんとなくフェードアウトするのではなく最終日もがっつり仕事して辞めたのは自分らしくもあったし、やり切った満足感もあります。
最終出社して入社するまでの間に、社会人になってから初めて金髪にしました。これの背景には転職に伴う 2 つの決意がありました。 この 2 つの決意は今までの自分の行動とナレッジワークでの自分の行動を明確に隔てているものでもあります。
1 つ目は、今まで培ったものすべてを賭して次の会社のビジネスアウトプットに貢献しようという決意です。あまりうまく言語化できてません。 今までももちろん本気で仕事をしていたし、比較的オーナーシップを持って結果を出してきたとは思いますが、ビジネスとしてのアウトプットを見ていた訳ではないし、やりたくないことはできるだけやりたくなかったし、組織やマネージャーに甘えていた部分もありました。 Google という最高の環境からスタートアップという刺激的な環境に移るんだから、せっかくならそういう甘えを捨てて自分が持つ武器すべてを使って目線を上げて闘ってみよう、という決意です。 下手な仕事ができないように追い込むという意味で目立つ外見にしました。金髪で下手な仕事してると「Google から来たやつがろくに仕事もできないのにイキってる」となるじゃないですか。
2 つ目は、1 つ目とも関連するんですが、顔と名前をインターネットに出して仕事をするという決意です。 顔を出すなら、トレードマークになるようなものがあるといいなぁということで金髪にしました。 今までなんで名前を出してなかったのかというと、インターネットに個人情報出してはいけないという強迫観念があるからでした。 顔と名前を出すというのは金髪と同じで 1 つ目の決意を実行するために自分を追い込むためでもあります。 顔と名前を出して下手な仕事はできないですよね。 個人情報出してはいけない強迫観念は今でも全然あるんですが、出して失敗してもやり直しきくっぽいことはなんとなくわかってきたしこの機にやってやるか、という感じです。
今まで自分の名前を出すことはもちろん、会社の名前を出すことも人脈を使うこともかなり嫌いだったんですが、今は使えるもんは全部使うという方針でやっています。名前も会社名も積極的に出すし、元同僚に頼りまくってるし、堂々と元 Google というブランドを使い倒しています。
仕事のやり方も変わりました。自分のやりたいことではなく、今の会社に必要なことを考えて優先順位をつけるようにしています。また、できるだけ他の人が拾わない、拾えないボールを拾って、実行して、やり切ることを意識しています。 こう書くと、別に以前からやっていたことではあるんですが、何かが変わっています。なんなんでしょうね。
7 月、ナレッジワークに入社しました。初月はオンボーディングということで社内に用意されているラーニングをやったりオンボーディングタスクをやったりしていました。 Google はもちろん今までの会社と異なるところも多く、なかなか慣れずにいた 1 ヶ月でした。 ただオンボーディング期間にあぐらをかいてボーッとしてるわけにもいかないので、自分にできることを見つけてやるようにしてました。 会社のメンバーとスプラトゥーンを一緒にやったりもしました。
8 月、本格的に仕事が始まった気がします。仕事を任されるようにもなり、Design Doc を書いて実装するということを一通りやったり、業務プロセスを改善したりしました。 あと入社 2 ヶ月でインターンシップのメンターを 2 週間やるというのもありました。 インターンシップは学生がみんな優秀で自分の刺激にもなったし楽しかったですね。
9 月、認証基盤を刷新するための Design Doc を書いてたりした気がします。また、今は Platform Group という社内の基盤を整えるようなチームに所属しているんですが、9 月頃は社内の様々な課題や会社が目指しているところなんかがわかってきたのでプラットフォームの将来像を描いたりもしていました。
10 月、社内向けに SRE のトレーニングを主催したり、Encraft #7 AppDev with Google Cloudというイベントで登壇したりしました。 会社のカジュアル面談を担当するようにもなりました。
11 月、設計した新認証基盤の実装が本格化して、とにかく Terraform と Go を書いてた気がします。
12 月、新認証基盤の仕上げや別のバックエンドサーバー刷新プロジェクトの実装をしました。また、デプロイに大きくメスを入れ始めました。
ざっくり振り返るつもりが長くなったなぁ。非常に濃い 1 年でした。
転職してよかった?
よかったです。よくなかったこともありますが、圧倒的に良かったです。
ナレッジワークでは自分が今までの会社で経験したすべてを出せている気がします。データセンターでの運用、Platform as a Service の新事業開発、SaaS 開発、新規 SaaS プロダクトの立ち上げとそれに関わる Platform 構築、AWS から GCP へインフラの完全移行、データプラットフォームを構築運用、ML モデルの学習や ML システムの構築、エンタープライズ企業への営業活動、エンタープライズ企業へのクラウド導入支援、顧客への Enablement、顧客・パートナー・自社を巻き込んだプロジェクトマネジメント、これらすべてが今の仕事に活きています。これらの経験のおかげでレベルが高いナレッジワークのエンジニアチームの中でも自分にしか出せない価値を出せています。
経験を活かすだけならナレッジワークでなくても良いと思いますが、ナレッジワークだからこそ良かった点もあります。まずナレッジワークには自分の能力すべてを活かせる組織と事業があり、それを評価してくれます。また、今後まだまだ挑戦があり、各スペシャリストが揃っていることで自分の成長を促してくれることも確信しています。書くとシンプルですが、なかなか他の会社では得られないものだと感じています。
転職して 6 ヶ月、自分の中である結論がでています。営業活動は Software Engineering に活きる。Software Engineering に必要な新たな視点が自分に加わったという実感があります。Software Engineering が好きだけど何か新しいことをやってみたいという人や行き詰まりを感じている人には、もしかすると Pre-sales Engineer というのは良いキャリアパスの経由地なのかもしれません。Software Engineering だけでは得られない学びを得られることは間違いないです。ただし、Software Engineering が好きであれば好きなだけ厳しいことも間違いないので手放しでのおすすめはしません。
良くなかったこととしては、給料が下がったことぐらいですね。ナレッジワークも決して給料が低いわけではないので不満はないんですが、どうしても数字として明確に現れてしまうので Google と比べると低いなーと思ってしまったり、家計のやりくりが今までに比べると厳しくなっているという事実はあります。 今までの退職・入社エントリでは避けていたんですが気になっている人も多いと思うので正直に書いておきます。
プライベート
プライベートに関する振り返りも記録として書いておきます。
車を買い替えた。前の車を、5 年後には自動運転できるようになってるやろ、と残価設定ローンを組んで買ったのでその買い替え。 5 年前の自分に 5 年後も自動運転は実現されてないことを教えてあげたい。
キャンプを始めた。うちはルビーという名前の柴犬を飼っていて、ルビーとも気軽に行けるんじゃないかってことでテントを始めキャンプグッズを揃えた。 グッズを揃えたはいいもののいざ行ってみたらルビーはキャンプ嫌いっぽいのでどうしたもんかと悩んでる。
結婚指輪をなくして新しいペアリングを買った。まさか自分が失くすとは…。悲しかったけど、妻が一緒に新しいのを買いに行ってくれてよかった。どこに行ったんだろう。
ずっと真夜中でいいのに。のライブに 5 回行った。本当に全公演全曲最高だったけど、その中でも一番を選ぶとしたら 1 月の叢雲のつるぎの残機かな。炎によるライブ演出とライブ感あふれる演奏と圧倒的なハイトーンボイスが合わさってぶち上がって昇天した。
(動画じゃ全然伝わらないんだよなぁ)
スノボには雪での通行止めもあって 2 回しか行けなかったかな。今シーズンはもっと行きたい。
ゲームは相変わらずスプラトゥーン 3 ばっかりやってる。他にはティアキンを結構やった。Overwatch 2 なんかもやったな。
東北に一人旅した。普段は一人旅なんてしたいとも思わないけど、転職の有休が 1 週間ぐらいあって普段絶対にやらないことをやろう思って急遽決めて車で行った。 青森まで行きたかったけど日程的にも運転的にもきつかったので宮城と岩手。御朱印帳を買ってお寺を巡ってみたり洞窟に行ったりした。 岩手で泊まった今年 50 周年の宿ではめちゃくちゃうまい海鮮料理を食べてオーナーや他の宿泊客から昔話を聞いたりして、一人旅もたまにはいいかもななんて思った。
PC を新調した。3 年半営業職として頑張った自分へのご褒美として見た目も中身もこだわった最高グレードのものを買った。この記事の OGP 画像も新調した PC を使って Stable Diffusion で生成してみた。
いい歯医者を見つけた。かなり嬉しい。今の家に引っ越して 5 年経ってもいい病院が見つけられてなかったけど、ついにいい歯医者を見つけて安心した。眼科と耳鼻科も見つけないとなぁ。
ワタミの宅食を使い始めた。Nosh は美味しくなくて辞めたけど、ワタミの宅食は美味しくて続いてる。おばちゃんが毎日届けてくれて、そのおばちゃんもいい人でそれも含めてサービスとして満足してる。
親戚の葬式に行った。子供の頃に祖父が亡くなって以来のお葬式。悲しかったけど久しぶりに親戚で集まれた。
Golink という OSS を作った。Google の社内システムのクローン。Ex-Googler が多くの会社に持ち込んでる有名なシステムで、ナレッジワークでも使えないかなーと思って作った。
Pixel 6 Pro から Pixel 8 Pro に買い替えた。特に感想がないぐらいどこか変わってるのかいまいちわかってない。
久々な友達に会った。コロナで 3 年以上会ってなかった友達と会ったりした。
ドラム。今年はまったく叩いてない。Google 辞める前に社内のスタジオでちょっと叩いたぐらい。ほそぼそ続いてたバンドが休止になって機会がなくなったので、一人で個人練しようかなぁ。
漫画で今年印象に残ったのはなんだろう。妻が読み始めて一気に沼にハマってしまったワンピース、黄泉のツガイ、めっちゃ流行ってる気がする葬送のフリーレンが印象に残ってる。
おわりに
2023 年はとにかく濃かったです。サクッと書くつもりが結構なボリュームになってしまった。2024 年も濃い 1 年にしたいですね。
また、多くの人へ感謝した年でもありました。今年お世話になった方々、もっと前にお世話になった方々、本当にありがとうございました。 来年からもお世話になるのでよろしくおねがいします。
最後に、今年かなり頑張った自分もお疲れ様。
それでは良いお年を。